実は、1月18日からマレーシアへトライアルに行っておりました。
しかし、結果はダメでした。惨敗もいいところ。
ということで、マレーシアでのトライアルを振り返ります。
※観光名所のペトロナスツインタワー
目次
マレーシア行きの経緯
代理人の方から、急遽マレーシアでのトライアルの連絡をもらいました。
以前から、一度はチャレンジしてみたいと思っていた国。
今回のタイミングを逃せば、次にいつトライアルに行けるか分からない。
迷う時間も無かったので、すぐに「行きたいです!」と返事をしました。
返事をした2日後には、飛行機に乗りマレーシアのクアラルンプールに到着。
久々の東南アジアの熱気に、少し懐かしさを感じながら、チームが遠征中で宿泊するホテルに向かいました。
※マレーシアへ向かう飛行機から
与えられた時間は45分
自分が合流したチームには、外国人枠4人に対して、既に2人は契約済みの選手が居ました。
自分とブラジル人の選手、2人がトライアルという形で合流。
当初の予定では、トレーニングマッチ2試合で自分のプレーを見てもらう予定でした。
クアラルンプール市内でのトレーニングマッチ1試合目。
「前半はベンチスタートで、後半のみ出場させる。」と事前に伝えられていました。
この日の自分に与えられた時間は45分のみ。
前半は試合を見ていていましたが、チームは遠征の疲労からなのか、中盤が凄く間延びしていて、全然セカンドボールを拾えていません。
その為、相手チームに7割ポゼッションされている状況。
「自分が相当運動量を増やしてセカンドボールを拾うか、味方をもっと動かさないと、後半もサッカーにならないな。」
そう感じました。
後半、ボランチのポジションで試合に出ましたが、中盤が間延びしている状況は変えられず…。
自分が運動量を増やすことは意識しましたが、一人でやるには限界があるので、味方選手にもっと早く守備に戻るよう伝えましましたが、なかなかその状況は変わりません。
まあ、逆の立場で考えた時、いきなりトライアルに来た外国人選手の言うことをすんなり聞く方が難しいかもしれません。
あとは、もっと自分に力があれば言うことを実行してくれたかもしれないし、伝え方にも工夫が必要だったかもしれません。
結局、ボールをポゼッションされる状況を変えることはできず、自分のプレーも最低限やるべき仕事はしたけど、大きな違いを生み出すまではいかず…という内容でした。
ただ、終わったことは仕方ない。
次の試合ではもっと自分のプレーが出せるように工夫しよう。と考えていましたが…
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監督から急な呼び出し
その日の夜、急に監督からホテルのロビーに呼び出されました。
「うちのチームに君は要らないから、他を探してくれ。」
開口一番、こうハッキリ言われました。
「早っ!なんでやねん!」
心の中でつぶやきましたが、要らないとはっきり伝えてくれたことには感謝です。
契約する気もないのに、だらだら帯同させられるよりはマシかと…。
結局は、自分の力が足りませんでした。
その日はホテルに泊まらせてもらい、次の日にはホテルを出発。
もしかしたら、他のチームをもう1チーム受けれるかも?という状況だったので、クアラルンプールに滞在することにしましたが、ひとつ問題がありました。
それは、トレーニングマッチで怪我を負ってしまい、すぐにはボールを蹴れない状況ということでした。
※試合中に左足を思いっきり蹴られてしまいました
左足のインサイドでトラップとキックができないのは、かなりキツイ…。
とにかく足を早く治しつつ、コンディションを維持する。という状況でした。
数日経って足は良くなってきましたが、結局もう1チーム受けれそうにない…。
ということで、マレーシアではこれ以上滞在しても状況が変わらないと判断し、一度帰国することにしました。
以上が、マレーシアでの自分の行動です。
「反骨心」と「素直さ」を胸に、「失敗」を「過程」に変える
裏海外組の選手は、このようなトライアルを何度も受けて毎年チームを探している選手が沢山居ます。
その現実をお伝えしたく、今回のマレーシアでの僕の行動を記しました。
「チャレンジし続ける行動力や、強い意思が凄いだろ!」
「トライアル中に怪我をしたら凄く大変なんですよ~」
ということを言いたい訳ではありません。
はっきり言って、自分に実力があればこんなトライアルを繰り返さなくても良いんです。
もし自分がメッシだったら、「マレーシアに行きたいんだけど」って言った時点で、すぐにマレーシア内のチームからオファーが殺到するはずです。
それ以前に、自分からアプローチをかけなくても、毎年沢山のチームからオファーが殺到するはずです。
でも現実は、代理人を通じて1チームだけ興味を持ってくれたけど、そのチームには要らないと判断された。
というのが、現時点での自分の実力です。
タイミングや運といった要素も多いに関係してくるので、一概に”実力が足りなかっただけ”で話しをまとめるのは少し無理がありますが、その運も含めての実力が足りなかったのが、今の現状でしょう。
それでも、自分のような裏海外組の選手達は、なぜトライアルを受け続けるのか…。
これは、選手それぞれに、それぞれの理由があると思います。
なので、大津一貴の場合を下記に記載しました。
僕の場合は、「理想の自分に近付きたいから」です。
そして、理想の自分になった、自分の人生を想像すると、「より豊かな人生へ発展すると思うから」です。
もう少し詳しく説明すると…
・好きなことを仕事にしている人である(プロサッカー選手)
・自分自身がサッカーそのものを楽しんでプレーしている選手である
・見てくれるや応援してくれる人も幸せにする選手である
・他人に夢を与えられる選手である
・優勝等のチームタイトルを取れる選手である
・国際大会に出場する選手である
・国際大会でゴールやアシストをする選手である
・監督、スタッフ、チームメートから信頼されている選手である
・ファンやサポーターからの人気もNo1の選手である
・”試合に勝つ”という結果へ導く働きができる選手である etc…
内容を細かく突き詰めるとまだまだありますが、分かりやすく箇条書きで表現すると、これが僕の大まかな理想。(サッカーで)
この理想の自分になるために、チャレンジし続けます。
今回のマレーシアには縁がありませんでしたが、自分の意思は既に次へ向いています。
理想の自分になるために、チャレンジし続けるし、行動し続けます。
それに、「俺のこと取らないなんて、見る目ねぇーな」という気持ちも、自分の心の中にあるのが正直なところです。
この「反骨心」と、現実を受け入れて次に進むという「素直さ」。
2つの気持ちを胸に、マレーシアでの”失敗”を”過程”に変える作業をし続けます。
きっと、それが今の自分にとっては、より豊かな人生に繋がるのだと信じて。
「見ててください、やってやりますよ。」
※怪我の様子を確かめるためにボールを蹴りたく、一人旅中でその辺を歩いていた韓国人のキム君を捕まえて、一緒に練習に付き合ってもらいました。キム君、まじでありがとう!
大津一貴