今シーズンのリーグ戦も残すところあと1試合。
ここまでの成績は、10チーム中7位。
明日行われる試合に勝てば、文句無しで7位確定。負ければ8位。引き分けなら、他の試合結果次第。
はっきり言って、7位だろうが8位だろうが、大きく違いは無い。
残留も決まっているし、優勝もないし、「消化試合か?」と問われれば「Yes」と答える。
でも、結果とは関係なく、全力を尽くす責任が自分にはある。
なぜなら、応援してくれる人がいるから。
そりゃ、日本代表の選手と比べれば、応援される人数に大きな差があることは百も承知。
でも、数じゃないと思う。
1人でも自分のことを応援してくれる人が居るのであれば、その人にのために全力を尽くすことが、本当のプロフットボーラーだと自分は考える。
それは、消化試合だろうが、優勝がかかった試合だろうが、そんな結果とは関係なく、目の前にある試合に向けて全力を尽くすのみだ。
今シーズン、自分を取り巻く環境は、とてつもなく難しかった。
一番大きな問題は、給料が未払いなこと。
今も解決していない。
それが原因で、一緒にプレーしていたチームメートはチームを離れたし、自分もシーズン途中で帰国する事も考えた。
他国や他チームへ移籍する事も考えた。
でも、自分にはその選択ができなかった。
給料の未払いをはじめ、様々な約束を、チームは今シーズン守らなかった。
傍から見れば、良いチームとは言えないだろう。
だけど、自分はこのチームに3シーズンもお世話になり、チームメートやスタッフに愛着がある。
初めて海外でプロとしてプレーさせてもらったチームだし、昔から自分のことを応援してくれる人も存在する。
一緒にプレーしてきた仲間も沢山いる。
こんなに問題だらけだけど、自分にとっては特別なチーム。
だから、簡単には見捨てられなかった。
本来は優勝争いをするべきチーム。
自分が過去2シーズン所属した時の成績はリーグ戦2位。
でも、今年は下位争い。
低迷するチームを自分の力でなんとか助けたいと、ずっと考えていたし、どんな理由であろうと途中で逃げ出すことはしたくなかった。
もしかしたら、やり方は不器用かもしれない。
4ヶ月も給料が未払いなのに、なんでプレーしてるの?って思われるかもしれない。
でも、どんな状況であろうと、自分はチームを見捨てる選択をできなかった。
お金に関しては、試合が終わってからどうにかする。
とにかく、口では上手く説明できないけど…
どんなに問題があろうとも、どんなに厳しい環境だろうとも、このチームで全力を尽くして、絶対に最後まで一緒に戦いたいと自分の心がそう言ってた。
だから、シーズン最後までプレーしようと決めた。
痛いヤツだと思われても構わないから、途中で投げ出すようなことだけは絶対に辞めようと。
そう心に誓って、毎試合戦ってきた。
そんな生活も、明日が最後。
前節、自分がゴールを決めた瞬間、チームが1つにまとまった気がした。
残念ながら試合は引き分けに終わってしまったけど、明日の最後の試合でもう1回、チームが1つにまとまる瞬間を味わいたい。
きっと、それを実現できた時、このチームでの自分の役割は終わる気がしてる。
ラスト90分、全身全霊を込めてやり切ります。
大津一貴