サッカー選手のキャリアは8割が偶然!?【計画された偶発性理論】

サッカー選手のキャリアは8割が偶然!?【計画された偶発性理論】

こんにちは、大津です。

今回は、「サッカー選手のキャリアは8割が偶然!?」という内容で話しを進めます。

具体的には、【計画された偶発性理論】という、米国スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提唱したキャリア理論が、サッカー選手のキャリア形成にも当てはまる、という話しです。

プロサッカー選手になりたい方、プロサッカー選手として大きな結果を残したい方は、是非読み進めてみて下さい。

【計画された偶然理論】をサッカーでも活用し、自分の夢や目標を叶えられるように、ステップアップしていきましょう。

 

目次

「計画された偶発性理論」とは?

 

「計画された偶発性理論」とは、【個人のキャリアの8割は予想しない偶然によって決定される】という考え方のことです。

そして、【偶発的なことを計画的に導くことでキャリアアップをしていくべき】という考え方に続きます。

 

サッカー選手のキャリアに例えて説明します。

下記に紹介するのは、本田圭佑選手が小学生のときに書いた卒業作文です。

 

「ぼくは大人になったら、世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。Wカップで有名になって、ぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します。」

 

本田選手は、小学生のころから既に「W杯で活躍する」「イタリア・セリエAで10番を付けて活躍する」という目標を設定していました。

 

※写真:サッカーキング

 

皆さまご存知のとおり、本田選手は3大会のW杯でアシスト・ゴールを記録し、日本代表の躍進に大きく貢献。そして、イタリア・セリエAの強豪ACミランにて背番号10番を付けてプレーしました。

この目標を達成するために、子供の頃に立てたのは大きな目標(W杯で活躍・セリエAで10番)ですが、その結果を手にするまでに本田選手が辿ったキャリアは、偶然によって決定されたものも多いと考えられます。

 

例えば、本田選手は中学時代にガンバ大阪のジュニアユースでプレーしていましたが、高校年代のユースには昇格できませんでした。その結果、石川県の星陵高校に進学するのですが、本来であれば【ガンバ大阪ジュニアユース→ユース昇格→トップ昇格(プロ)】を目指していたはずです。

しかし、ガンバ大阪のユースに昇格できないことで星陵高校に進学。結果的に、高校サッカーで活躍した本田選手は、その後に名古屋グランパスからオファーを受けて、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。

 

【ガンバ大阪ジュニアユース→星陵高校→名古屋グランパス】

 

このように、「計画された偶発性理論」とは、大きな目標に向かって進む途中で何かしらの予期せぬ出来事により、自分が想像していたキャリアとは違うキャリアを歩んでいくことを指しています。

 

 

ちなみに、本田選手はセリエAでプレーする以前、Jリーグでの活躍から直接ACミランに加入した訳ではありません。

オランダやロシアでのキャリア(実績)を元に、ACミラン加入を実現させています。この点も、偶発的な部分と言えることができるでしょう。

 

 

「計画された偶発性理論」で大切なこと

 

次に、「計画された偶発性理論」で大切なことをご紹介します。

 

まずは、【”今”を大切にしよう】という考え方です。

「あまりに未来のことばかりに気を取られると、現在が見えなくなってしまう」と、クランボルツ教授は考えました。

言い換えると、未来のことばかりに気を取られているときは、【想定外のチャンスを失ってしまう可能性がある】ということです。

 

本田選手の場合、大きな目標(W杯、セリエA)に対して、15歳のときにガンバ大阪のユースへ昇格できなかったことは、一見【失敗】のように見えます。なぜなら、最短ルートでのプロサッカー選手になる道が一度途絶えたからです。

しかし、本田選手は星陵高校で活躍し、結果的には名古屋グランパスへ入団。15歳~18歳当時の本田選手が、”今”を大切にして努力を怠らなかった結果が、プロサッカー選手への道を切り開きました。

星陵高校への進学という道が、実は本田選手にとっての【想定外のチャンス】だったのです。

 

このように、【今を大切に生きることで、想定外のチャンスが目の前に転がってくる可能性がある】と、考えることができます。

 

 

偶発を呼び込むために必要なこと

 

では、本田選手のようにチャンスを呼び込むために必要なことは何なのでしょうか。

具体的な行動指針は、下記の5つです。

 

「好奇心」―たえず新しい学習の機会を模索し続けること

「持続性」―失敗に屈せず、努力し続けること

「楽観性」―新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること

「柔軟性」―こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること

「冒険心」―結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

 

以上の5つが、とても大切です。

「未来が予測不可能であるため今に注目し、予期せぬ出来事を計画することによってキャリアを築いていく」という、一見矛盾しているような考え方。

ですが、上記の行動指針を大切にすることによって【「偶発的」な出来事を「計画」する】ことが可能です。

 

 

「未来」と「現在」の両方が大切

 

では、偶発的なチャンスを呼び込むために、大きな目標(W杯・セリエA)は不要なのでしょうか。

 

答えは「No」です。

 

「計画された偶発性理論」は、未来の目標を決めない方がいいと言っているわけではありません。「未来」と「現在」の両方があることで、はじめて実現することを指しています。

 

本田選手の場合、「W杯で活躍する」「イタリア・セリエAで10番を付けて活躍する」という大きな目標があったからこそ、星陵高校での活躍がありました。

「W杯」や「セリエA」という目的地(目標)があり、その目的地にたどり着くために、あらゆる方法を考えました。その1つは、ガンバ大阪のユースから最短距離でプロサッカー選手になることだったのは確かな事実です。

しかし、星陵高校からもプロサッカー選手になる方法(目的地にたどり着く方法)を見つけ、その道から大きな目標(W杯・セリエA)へ向かう。それを発見するために大切なことは、”今”に集中することです。

 

このように、未来の目標(目的地)を定めた上で「計画された偶発性理論」が提示した5つの行動指針に基づいて“今”を大切に行動することが、結果的には大きなキャリアアップにつながる。

という考え方です。

 

最後までこの記事を読んでくださった皆さまも、大きな夢や目標を達成するために、今を大切に行動して欲しいと思います。

そして、偶然を自分自身でチャンスに変える積極性を大切にして下さい。

その結果が、本田圭佑選手のように大きな結果を残すことにつながると、私は考えます。

 

 

About The Author

大津 一貴
夢を諦めて一般企業へ就職するも、22歳でがんを患い生き方を改める 。その後、脱サラして海外でプロサッカー選手に。モンゴル1部・FCウランバートル所属。1989年10月25日生まれ、北海道出身。

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