ポジティブシンキングの罠

ポジティブシンキングの罠

皆さん、「ポジティブシンキング」「ポジティブ思考」という言葉を聞いたことはありますか?

きっと、多くの方がご存知でしょう。

サッカーの世界でも、多くの場面で使われています。

「優勝するために、ポジティブ思考でいこう!」

「ゴールを決めるために、試合中は常にポジティブでいよう!」

 

しかし、このポジティブシンキングやポジティブ思考には、大きな落とし穴も存在します…

 

目次

なぜポジティブシンキング?

まず、なぜポジティブシンキングが必要なのか。

それは、『達成したい願望があるから』です。

 

例えばサッカー。

先ほどの例で挙げたように、「ゴールを決めるために、常に試合中はポジティブでいよう!」というポジティブシンキング。

この場合は、『ゴールを決めたい!』という願望からのポジティブシンキングです。

 

普段の生活でも、運が良い人生を送りたいから「自分はついてる!ついてる!」と唱えるとか。

独身のアラサー、アラフォーの方が結婚したいから「私は結婚できる!絶対結婚できる!」と思い込むとか。

『根拠が無くても良いから、まずはポジティブな思い込みをしましょう!』という主旨の内容が書かれている、自己啓発本やスピリチュアルもこの世に沢山あります。

 

ポジティブシンキングに潜む落とし穴

 

しかし、このポジティブシンキングに潜んでいる”落とし穴”を、これから説明していきます。

 

『ゴールを決めたい!』という願望から、

「ゴールを決めるために、試合中は常にポジティブでいよう!」

と、ポジティブシンキングをしているA選手。

 

彼の思考には、『絶対にゴールが欲しい』という”執着”が存在します。

執着から生まれる思考にはの裏には、『ゴールが取れないかもしれない…』が隠れています。

この場合の執着は、「恐れ・不安」という負のエネルギーの表れ。

潜在意識の中に、『手に入らないかもしれない』が存在しています。

 

「自分はついてる!ついてる!」のBさんも一緒です。

『自分はついていないかも…』が、潜在意識の中に隠れている状態。

 

「私は結婚できる!絶対結婚できる!」のCさんも一緒です。

『私は結婚できないかも…』が、潜在意識の中に隠れている状態。

 

ようするに、自分が望ましくない世界に誘導する思考から”執着”が生まれ、潜在意識では”できない”と思い込んでいる恐れや不安の感情から目をそらすために、自分自身を無理やりポジティブな方向に向けようとしている状態です。

※潜在意識と顕在意識の図

 

潜在意識では「できない」なのに、

顕在意識では「できる」の方向に向かっている。

そのため、現実世界では綱引きをしている状態と言えます。

本当は願望を達成したいはずのに、心の中(思考)が綱引き状態なので、現実世界での現状が変わりません。

そして、無理やりのポジティブ思考で、更に自分自身の心を苦しめています。

 

真のポジティブシンキング

 

では、この状況を解決するために必要な、真のポジティブシンキングをご紹介します。

 

ステップ①

自分の思考癖を把握する

 

自分の脳が普段どのような思考をする傾向にあるのか、冷静に分析してみましょう。

頭の中で考えるだけでは分かりにくいので、願望をノートに書き出して、自分の脳内を可視化します。

 

『ゴールを決めたい!』の場合、

その裏に隠れている不安や恐れが無いかを探してみてください。

この場合は先に説明した通り、『ゴールが取れないかもしれない…』です。

 

 

ステップ②

恐れや不安の原因を解消する

 

『ゴールが取れないかもしれない…』の場合、

”ゴールを決めることに値する実力が足りていない”ことを、本当は自分自身が一番分かっているのに、現実から目を逸らしている状態です。自分自身と向き合えていない状態とも言えます。そのため、不安や恐れの感情が出てきます。

まずは、現状の自分としっかり向き合い、できていない自分を受け入れましょう。

 

例えば左足のシュートが苦手なら、左足でのシュートを入るようになるまで練習する。

シュートの形に持ち込める回数が少ないなら、動き出しの上手い選手のプレーを研究する。

逆にヘディングシュートが得意なら、更にゴールの確立を上げれるように日頃から自分の武器を磨く。

というように、自分が今やるべきこと(行動)に目を向けることが重要です。

 

この原因を解決すること、または解決の過程で起こることは、潜在意識が『できる』に変わりはじめます。

簡単に言うと、本当の意味での”自信”を手に入れる作業です。

練習や研究を重ねた結果(行動を起こした結果)、自信という武器が手に入り、

潜在意識が『ゴールを決めて当然』と思い、

顕在意識でも『ゴールを決めて当然』と思うから、

現実世界でも『ゴールを決める』という結果になります。

 

『手に入るのが当たり前』という状態になると、執着心が無くなります。

執着が無くなる = 負のパワーが無くなる

ゴールを決めるに相応しい自分になること(= 達成したい願望に相応しい自分になること)が、ステップ②の作業です。

まずは今の自分がやるべきことに目を向けて、一歩ずつ着実に前進です。

 

 

ステップ③

関心を他人や公に目を向ける

 

ここが重要なポイントです。

そもそも、なぜゴールを決める必要があるのか。

ゴールを決めたいA選手。彼自身が目立ちたいだけでゴールを目指しているのであれば、三流サッカー選手です。

一流のA選手は、自分のゴールによってチーム(自分を含めた他人)を勝たせたい。

チームが勝つと、応援してくれる家族やサポーター(他人)も喜んでくれる。その人たちの生活が明るくなる。日常に活気が出る。また次の試合に応援に来てくれる。魅力のあるチームになる。更にサポーターが集まる。スポンサー企業も集まる。お金も集まる。

 

関心を他人へ向けることで、自分の執着も同時に満たされるもの。

これが、一番パワーを発揮しやすい状態です。

自分の執着を他人のためにも発揮すると、好循環が生まれます。

その結果、めぐり巡って自分の願望も達成されます。

 

いや…

望み以上の願望が達成されることもあるでしょう。

なぜなら、自分だけではなく他人にも関心を寄せることで、意識のレベルが上がるからです。

手に入れる結果のレベルも自然と変わります。

 

運が良い人生を送りたいのであれば、自分の占いや手相を見るだけではなく、自分の家族や周りの友達全員が幸せになるにはどうすれば良いのか、考えて行動する。

結婚したければ、異性を落とすトークやかわいい”しぐさ”を研究するといった小手先の技術ではなく、この世界に幸せな夫婦を増やすにはどうするべきかを考える。

他人に関心を向けられる人の方が、人間としての魅力が増して、期待以上の願望を実現する可能性が増えます。

 

まとめ

 

一般的な、ポジティブ=良いこと、ネガティブ=悪いこと。

これを鵜呑みにしてしまうことは大変危険です。

本当の意味でのポジティブを理解して、正しい方向にポジティブ思考を利用しましょう。

 

もう一度整理すると…

①自分の思考癖を把握する

②恐れや不安の原因を解消する

③関心を他人や公に目を向ける

以上の3ステップです。

 

この仕組みを知るだけで、願望達成の可能性が一気に上がりますので、皆さんも是非お試しください。

 

大津一貴

About The Author

大津 一貴
夢を諦めて一般企業へ就職するも、22歳でがんを患い生き方を改める 。その後、脱サラして海外でプロサッカー選手に。モンゴル1部・FCウランバートル所属。1989年10月25日生まれ、北海道出身。

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